THE VELVET UNDERGROUND


MUSIC

ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、1964年に結成されたアメリカのロックバンド。
商業的な成功を手にすることなく解散したが、その極めて内省的かつフリーキーなサウンドと、性におけるタブーや薬物など人間の暗部を深く鋭くえぐった歌詞は、同世代のデヴィッド・ボウイやストゥージズ、ドアーズ、後進のパティ・スミスやテレヴィジョンをはじめとする数多くのアーティストに多大な影響を与え、ロックの芸術性の向上に大きな役割を果たした。

The Velvet Underground and Nico(1967)

 

アルバムの制作に先立ち、プロデューサーであったアンディ・ウォーホルの提案により、FACTORY(ウォーホルのスタジオ)に出入りしていたドイツ生まれのNicoがヴォーカルとして参加する(ウォーホルはデビュー作リリースをバックアップする条件としてニコの参加を打診したという。リードはデビューのためにこの提案を受け入れ了承したが、内心は不満だった。後年、リードは当時の状況に関して「とにかくニコは特別扱いだった。良い曲は全部ニコに取られてしまうので困った」と語っている)。
こうして5人組となったヴェルヴェッツは1967年3月、ウォーホル・デザインによる、あの有名なバナナのジャケットで知られる『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』でデビューを飾ることになる(ただし、ニコは作品名から判るようにバンドに加入したわけではなく、あくまでゲスト的な扱いである。実際、ライブには数回しか参加しておらず、本作リリース時にはすでに離脱していた)。当初は3万枚ほどしか売れずヒットしなかったが、後に再評価され、今では音楽史に残る名盤とされている